食べると心が元気に!女性に寄り添うフェムフード“ママノーラ”と“オホホノーラ”
- 社名
- レナ・ジャポン・インスティチュート株式会社
- インタビュイー
- 取締役・クリエイティブディレクター:蟹瀬令奈様
商品ディレクター:フレデリック ジェンセン様
- インタビュアー
- 大東(長良園)
レナジャポンとは?
大東(以下、大):まずはレナジャポンさんの会社設立の経緯を教えていただけますでしょうか。
令奈さん(以下、令):レナジャポンは16年前に私の肌荒れを治すために母が立ち上げた会社です。元々私はヨーロッパでバレリーナをしていたのですが、乾燥が厳しい外国の環境の中で深刻な肌悩みを抱えていました。当時はそのせいで心まで病んでしまうほどでした。
ちょうどその時期、長く美容業界で活躍してきた母がリタイア後のことを考え始めていました。その母の姿を見て、「それなら私の肌を治して!」とお願いしたんです。母も「最後のタスクとしてやってみようかしら」と受けてくれました。
私のお願いを受けて、母は美容業界で40年の経歴で培ったさまざまなコネクションを活かし、石鹸ローションのサンプルを作成しました。正直、それまで何をしても治らなかったという経緯があるので半信半疑ではあったのですが、何とそれを使うと1週間で肌荒れが綺麗に治ってしまったんです。それがレナジャポンが生まれたストーリーです。
母のモットーは「ベストセラーではなくロングセラーをつくる」こと。レナジャポンはその言葉の通り、設立以来16年ずっと愛され続けているブランドになっています。
私自身も、アメリカに住んでいたときに同じように肌悩みを抱える多くの女性と接してきました。ヨガインストラクターの資格を取得してボストンでヨガを教える中で、レナジャポンの提唱する「深呼吸洗顔※」も伝授してきました。
※深呼吸洗顔…レナジャポンの創業者である蟹瀬令子氏が提唱する、深呼吸をしながら洗顔することで肌のキメと自律神経のバランスを整える洗顔方法のこと。
仕事と育児に苦労する中で生まれた「フェムフード」
大:主にスキンケア商品を手掛けられてきたレナジャポンさんが、新たに栄養機能食品を製作されたきっかけについても教えてください。
令:私は出産を経て4年前に日本に帰国したのですが、仕事と育児の両立、そしてコロナ禍という状況も相まって疲れきってしまっていたんですね。アメリカで食品開発を行ってきた経歴を持つ夫のフレデリックが、そんな私の様子を見て「ビタミンDが不足しているのではないか」と気がつきました。
ビタミンDは人間の精神面に大きな影響を与える栄養素だと言われています。フレデリックの出身国であるデンマークは日照時間が短いため、冬になると政府がビタミンDサプリメントを配布するそうです。それを聞いて私もビタミンDのサプリメントを摂取したところ、情緒不安定が改善したんです。
女性は妊活や妊娠中、産後の体のケアにおいて、栄養への特別な配慮が必要となります。またこれからキャリアを積んでいこうという時期に更年期障害があるなど、女性の体はずっとホルモンに左右されてしまうものです。自らの経験を受けて、それら女性の体の課題をしっかりとカバーできる食品をつくっていきたいと思い、ビタミンDに着目した新フェムテック栄養機能食品の開発に乗り出しました。
大:サプリメントではなく食品の形にしたのはなぜなのでしょうか。
令:「サプリメントではなく食べるものにする」というのは、フェムテックフードをつくる上での私たちの夢でした。フレデリックはずっと食品を取り扱ってきたこともあり、「サプリメントをメインにしてジャンクフードを食べるのではなく、食をメインにしたい」という考えを持っていました。食べることで幸せを感じ、内側から元気になってもらいたいということで「食べるビタミンD」をコンセプトに商品化 しました。
ママや“ゆらぎ世代”の女性をターゲットに製作した「ママノーラ」「オホホノーラ」
大:今回製作された「ママノーラ」「オホホノーラ」の特徴を簡単にご説明いただけますか?
令:「ママノーラ」「オホホノーラ」はどちらもグラノーラの形の商品です。「ママノーラ」は妊活から妊娠中、産後ケアのための食べ物。どちらにもビタミンDは入れていますが、ママノーラには葉酸やビタミンB、プロテイン、オメガ、鉄分などママに必要な栄養素も入れて固めてつくっています。
「オホホノーラ」はいわゆる“ゆらぎ世代”と言われる40代過ぎの女性をターゲットにした商品です。ビタミンDをはじめ、カルシウム、鉄分、オメガ3系脂肪酸、ビタミンB、植物性エストロゲン(大豆パフ)などの栄養素を入れています。
「ママノーラ」はという名前はその通り「ママ」+「グラノーラ」から来ており、「オホホ」という名前には、「毎日あるトホホなことをオホホにしていきましょう」という意味を込めています。それぞれ「食べる母活」「食べる笑活」と呼んでいます。ママノーラはアーモンドバニラ味、オホホノーラはカカオ味で、どちらもヴィーガンに対応した食品です。
大:グラノーラの形にしたのはなぜなのでしょうか?
令:今回の製品は、毎日朝ごはんとして食べてもらいたいと考えていました。朝ごはんを食べる習慣のない人でも習慣化していけるよう手軽な形にしたいと思い、グラノーラの形にしました。朝は一番栄養が体に摂取される時間なので、そこでママノーラやオホホノーラを食べて、1日を元気に過ごしてもらいたいなと思っています。
焼き菓子ふぁくとりーに依頼した経緯
大:ママノーラ、オホホノーラの商品を製作するにあたって焼き菓子ふぁくとりーにご依頼いただいた経緯を教えていただけますでしょうか。
令:グラノーラの形で製作できる会社をいろいろと調べていたのですが、日本ではこのような栄養機能食品の製作事例があまりなく、製作ハードルの高さを実感しました。
しかし焼き菓子ふぁくとりーさんにお問合せをしたところ、市川社長が「面白いじゃないか!やってみよう」とお話を聞いてくださったのです。新しいことにチャレンジするオープンマインドがあったからこそ、安心してお願いすることができました。
焼き菓子ふぁくとりーさんには今言ったような「人」の魅力と同時に、フレキシブルな工場の生産体制があったのもポイントです。少量でも製作でき、なおかつ大量生産が必要になった際に対応できるファシリティがあることも焼き菓子ふぁくとりーさんならではの魅力だと思います。
製品が完成するまでの焼き菓子ふぁくとりーとのやりとり
大:製品が完成するまでの焼き菓子ふぁくとりーとのやりとりはいかがだったでしょうか。
令:すごくフレキシブルにご対応いただき、理想的なものができました!やりとりがフレンドリーで、堅苦しくなく対応していただいたのもありがたいなと感じました。
フレデリックさん(以下、フ):製作中はいろいろとテストも重ねましたが、しっかりとアテンドしてくださるし、いろいろな相談に乗っていただいてありがたかったです。家族のような関係性を築くことができましたね。
令:フレデリックはこだわるタイプなので、技術から成分までこだわって最終レシピまで30以上トライしたんですよね(笑)。
フ:私はアメリカで100社以上とやりとりをしてきましたが、食品をつくる工程というのは関係性を構築する点も含め、とても難しいものです。しかし焼き菓子ふぁくとりーさんは製作工程からブランディングまで、本当に寄り添って頑張っていただけました。
大:弊社でもグラノーラをつくったのは初めての試みだったので、アメリカで製造されたご経験のあるフレデリックさんにはいろいろとご相談させていただきました。お二方が現場までいらっしゃって、最終工程まで見た上で微調整いただいたからこそ、製作経験のなかったグラノーラを無事お届けすることができたのだと思います。
フ:生産工程でどういう注意が必要かなど、現場にいないと分からないこともありますし、絆を深めることで愛情のものが製作できると思います。現場にいくことで双方が安心できるかなと思い足を運んでいました。
大:現場に来ていただけたことで、製造部門も身が引き締まる思いでした。皆で一丸となって商品開発をさせていただくという意識も生まれましたね。
「ママノーラ」「オホホノーラ」のこだわり
大:「ママノーラ」「オホホノーラ」のこだわりを教えてください。
フ:栄養機能の食材を入れることで苦味が出やすくなるため、機能性と味を両立するための調整には苦心しましたね。
また食べやすいものとするためにテクスチャーにもこだわりました。グラノーラはバラバラの形状であることも多いのですが、ブロックにすることで牛乳やヨーグルトに混ぜなくてもスナック感覚でそのまま食べられるのがポイントです。
フ:またブロックタイプにしたのには、あまり小さくしすぎて中に入っている材料が分かりづらくなるのを避けるという意図もありました。グラノーラは生地に空気を含ませて焼いて、デーツなどのシロップでくっついた生地をボロボロと崩していくという工程で製作するのですが、そのサイズ調整も焼き菓子ふぁくとりーさんにはフレキシブルに対応していただきました。
出来上がりを見たお客様からの反応
大:出来上がった製品のお客様からの反応はいかがでしょうか?
令:皆さん、本当においしいと言っていただけます。「栄養機能食品なのにこんなに美味しいのが新鮮」というお言葉をいただいていますよ。
プレッセプレミアム東京ミッドタンや新宿伊勢丹などにポップアップショップ出店し、好評いただいています。
今後もさまざまな面から女性の体に寄り添ったフェムテックフードを
大:今後レナジャポンさんで作ってみたいと考えている商品はありますか?
フ:「心が元気になる」というコンセプトをベースに、今後も女性の体に寄り添ったフェムフードは製作していきたいと思います。
令:今回はママ、ゆらぎ世代にフォーカスしましたが、PMSだったりお通じだったり、いろいろな面から女性の体に寄り添う食品を製作していきたいですね。
焼き菓子ふぁくとりーさんではチョコレートコーティングができる機械をお持ちなので、今回のグラノーラをチョコレートコーティングしたスナックタイプも展開していけたらと考えています。
大:今回はグラノーラという初めての製品に挑戦する機会をいただいたことで、焼き菓子ふぁくとりーとしても新たな可能性を切り開くことができたと思います。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!